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対話254 丹野 義彦 『認知行動アプローチと臨床心理学―イギリスに学んだこと』

2009.10.31.19:25



<殿堂入り>
個人的読みやすさ:B (イギリスの臨床心理のことがよく伝わってきた)
読書時間:1時間


 日本では、基礎的心理学と心理臨床が直接的に対立してしまう。それは「科学」対「反科学」の様相を帯びてしまう。基礎的心理学の側では、「心理臨床は科学ではない」と批判し、逆に、心理臨床の側では、「基礎的心理学の科学的方法論は実践の役に立たない」と批判する。日本の心理臨床は、基礎的心理学や精神医学とのインターフェースがよくない。こうした点からも、イギリスの心理学のあり方は、日本にとって参考になるところが多い。(p.19)


臨床にはそれほど興味を持っていなかった僕が、この本を読むことで臨床も良いなと感じ始めた。同時にイギリスという国で学ぶことの意義も見出せたように思う。

 臨床の現場のことについて僕はほとんどわからない。
身内にカウンセラーがいるのでなんとなく口づてに聞いたりして「ああ、やっぱ色々大変なんだなあ」と思うことはあっても、実際今までそこに関わろうとはほとんど思わなかった。

 多分自分には人の話を聞いて~というカウンセリングスタイルは合っていないと思っていたし、他人からも「え、お前がカウンセリング?無理無理」みたいな反応をされた記憶もある。まあ根本的な部分で僕は調べたり研究したりするほうが好きなのだろう。

 しかし本書で取り上げられている認知行動療法は僕の想像するカウンセリングというスタイルとはかなり違うようである。そしてイギリスはそれを非常に体系的に、また臨床心理、精神科医、社会との3つの軸をうまく使ってクライアントに対応しているという事実。これだけでも僕がイギリスと認知行動療法に興味を持つには充分な素材ではないか。

 なおかつ、イギリスでは臨床心理士、あるいは精神科医が一対一でクライアントに接するのではなく基本的にはチームで接することになるそうなので、必然的に共有できるエヴィデンスが非常に重要になってくる。そうした背景もあって、エヴィデンスをいかに測るか、というところに着眼が置かれていてこれがまた素晴らしい。そもそも認知行動療法の一つの大きな利点としては効果を確認しやすいというのがあると思うが、これはこうしたイギリスの臨床体制から生まれた姿勢なのかなと思う。

 こうしたスタイルが日本に導入されるにはかなりの年月がかかることになるだろう。あんまり日本の事情のことには詳しくないので下手なことはいえないのだけど、身近な例で考えてもイギリスと日本の臨床の場面には大きなギャップがあるだろうし、そもそも認知行動療法自体がそこまでメジャーではない。軽く調べたところこれを行っているところも結構あるっぽいが、たとえば僕の身近な友人であるJさんは様々なカウンセラーのもとへ行ったり精神科医のもとを訪れたりしているが、認知行動療法の存在すら知っていなかった。

 ともかく、今後日本の臨床の現場が、そして生活とカウンセリングの関係がどのように変化していくのかについては今後も詳しく見ていく必要がありそうだと思った次第。

theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

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