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対話284 小森 陽一 『研究する意味』

2010.02.20.00:19




個人的読みやすさ:B
読書時間:1時間

 新しいことをやろうとすれば、かならずコンサーバティブな勢力に批判されたり、拒絶されたりします。そのときに、コンサーバティブな勢力がもっているツールを全部マスターしていることを見せることが重要です。向こうがもっているツールをこちらが向こう意以上につかいこなせることがわかると、向こうもひるみます。新しいことをやろうと思えば思うほど、伝統的な学問についてよく知っていることが必要になるのです。(大澤, p.106)


 主に人文科学、社会科学の学者から集めた「研究する意味」について、本著では記述されている。多少分野に偏りがあるのではないかと思ったが、普段あまり接しない学問領域の人が何を考えその学問に従事しているかを断片的ながらも知ることが出来たのはとても興味深いことだった。特に身体から色々なことを研究されているという大澤真幸さんのテーマは個人的に興味をそそられる。また機会があれば彼の著作も読んでみたいところ。

 さて、この本を通じて僕が得た教訓はかなりあるのだけど、むしろそれ以上に僕がこの本を読んで感じた反発心、みたいなもののほうが自分にとってより有意義であるような気がする。
 例えば学者であるということは性格の悪い人間であれということなのか?
いわゆるクリティカルシンキングを持つことは非常に大事なことだけど、別にそれは性格が悪い必要はまったくもってなく、それは単純に性格のよさとクリティカルシンキングを両立するスキルがないだけのことなのではないかと僕は捉えてしまう。
 また、全体を通した印象として、なんとなく「ああ、世代が違うのだな」という違和感を持つことがかなりあった。古典を読めよ、というような指摘は研究者になろうとするなら当然のことなのなので別になんとも思うことはないが、例えばリベラルアーツを否定している箇所とかはリベラルアーツに対する理解あるいは実行が足りないのではないか、とか。

 あれ、気付いたら僕は金子勝に対する反発ばかりしていますね。読んでいるときは他の人にも同様に違和感を感じたりしたのだけど、彼の意見はなんだかんだインパクトがあるということなのかもしれない。

 そのほか日本の研究の現状として面白かったこととして、日本は映画だとかのメディアを研究する力がまったく育っていないという件が挙げられる。今のところあんまり受け入れ口がなさそうだけど、何とかこの分野に関連した研究をしていれば将来メディア研究が育ち始めそうなときに職を得たりする可能性が高まるのかな、とか我ながら軽薄極まりない。

 ちなみに本著の中では文系のドクターまで行く人は日本では今のところそうそうおらず、故に文系の研究者になりたければなるべく早くドクターを取ることが職を得る鍵であるみたいなことが書いてあったことには驚いた。尤も、この本が創刊された2003年からはすでに7年(!)経過しているわけで、今はもうすでにだいぶ状況が異なってしまっているのだろう。残念。

theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

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