スポンサーサイト

--.--.--.--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

対話288 池上 俊一 『魔女と聖女 ヨ-ロッパ中・近世の女たち 』

2010.02.21.00:17




個人的読みやすさ:B
読書時間:50分


 彼女は一三五三年から二十三歳でなくなる一三八〇年まで、数限りないエクスタシーを経験したようである。彼女は「拒食症」であって最低限の食事しかとらず、また、一日おきに、睡眠時間を一時間以下におさえていた。したがって彼女は、恒常的に感覚麻痺状態であり、そのことがエクスタシーにおちいりやすい体質をつくっていたのであろうと推測される。(p.96-97)


 引用はシエナのカテリーナという人の記録なのだが、これまたもの凄い人間もいたものである。今であったらこんな人は速攻で精神鑑定を受けて精神病棟にぶちこまれるのが常だと思うが、彼女の時代においてはこれも一つの人格として存在することを許されていたわけだから、昔のほうが人格のバラエティがあったのかなとも思わなくも無い。

 さて、シエナのカテリーナの症例は人類の可能性という点でもの凄く興味深いのだけど、それ以外にもこの本には多くの面白い内容が宝箱のように詰まっている。
 中世ルネッサンス期における女性崇拝と女性蔑視の流れは過去においてだけの動きではなく現在でもたとえばネットなどである程度認められる動きのように思えるし、抑圧された性がどのような歪み(この定義も現代における僕だから言えることだろう)を作り出すかというのも非常に興味深い点である。
 また、男性本位の世界観の中で女性グループの世界観が確かに存在し、それが歴史上にところどころスキマを縫うように噴出しているというのも面白い。地球でたとえるなら男性的価値観が地表、女性的価値観が地中で、たまにそれがマグマのように出てきて一つの山を作ったり作らなかったりする。そんな情景がこの本を読んでいる中で生まれてくる。

comment

Secret

twitter
プロフィール

×÷

Author:×÷
はらわたに秩序。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。