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対話295 ジョナサン・D・モレノ 『マインド・ウォーズ 操作される脳』

2010.03.09.13:31




個人的読みやすさ:C
読書時間:1時間半


 コロンビア大学の神経科学者がfMRIを用いて実験を行い、睡眠不足の状態で特に活性化するニューロン経路がいくつかあることを見いだし、訓練すればその経路を使えるようになるかもしれないと推論している。これなら薬を使わずにすみそうだ。(p.233)


 神経科学の発展が人体にどのような影響を及ぼしていくのかが、ぎゅっと詰まった濃い一冊。

 アメリカにはDARPAという国防高等研究計画局があって、ここが結構いろいろと怪しいことをやっているらしいということは以前からいろいろな経路で耳にしていた。DARPAはかなり深いところで神経科学の発展にかかわっていて、それはつまるところ神経科学の発展が次回の戦争のために使われるかもしれないということを示唆しているのかもしれないけど、単純に”未来の技術”としてみた場合、これほど魅力的でSFチックな分野はあまりないと僕は思う。

 神経科学の発展は、本著によると以前の超心理学(超能力の研究などを指す)よりも多彩に、パーソナリティ理論などよりも綿密に、人間の能力を有効活用することにつながるらしい。その手段や目的としてはさまざまな事柄が挙げられていて、たとえば上記の引用である「睡眠」についてもそうなのだけど、ある経路を使えるようにすればぐっと睡眠時間のコントロールを可能にすることが近くなってくる。

 一方、そういうことをしていると倫理観みたいなのも必然的に問われてくるわけだ。人間の能力を大幅に上げてしまったり、またそれがどういう結果をもたらすか予見できない以上、それは仕方のないことだけど、これはSTS(科学社会と技術)の新しく、そしてさらに大きなひとつのトピックになることは間違いない。

 僕個人の考えとしては遅かれ早かれ、神経科学の発展が世の中の全体像を、世界観を多かれ少なかれ変えてしまうのは時間の問題だと思っている。需要はどうしてもそこに存在するし、供給する体勢が整うまでにもそれほどの時間は必要ないだろう。なによりも、DARPAが絡んでいることからもわかるように、神経科学の発展はこれからの戦争・紛争において大きく必要とされるものである。歴史を振り返ったときに、戦争がテクノロジーを大幅に発展させたことを考えたら、神経科学は次世代においてもっとも発展する分野のひとつなのではないかと思わずにはいられないのだ。

 いいにしろ悪いにしろ、このようなテクノロジーの発展が私たちの世界観にどのような影響を及ぼすのか、今から少しどきどきしながら見守りたい。

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