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対話300 架神 恭介, 辰巳 一世 『完全教祖マニュアル』

2010.03.15.13:23




個人的読みやすさ:A
読書時間:1時間


 つまり、教団というのは本来、「個人の霊的体験」という本質を包む外殻だったのですが、この外郭が、本質である「個人の霊的体験」を押し出そうとし始めるわけです。すると、教団にがんじがらめにされて、「個人の霊的体験」が失われていきます。宗教活動が儀式化すると言い換えてもよいでしょう。現代日本では「スピリチュアルには関心があるけど宗教団体はイヤ」という人も多くいますが、それは彼らが「個人の霊的体験」を重視しているためかもしれません。(p.33)


 僕も毎週ジャンプ感想を読んでいるかがみさん(http://blue.ribbon.to/~cagami/)の新著。新著といっても発売から結構たってからの読書になってしまったけども、相変わらず面白さが爆発しながらも普通に勉強になるという、今までのマニュアル本シリーズの中でも上位の出来になっている本。

 日本で宗教を考えるということはなかなかエキセントリックなことだ。僕はちょっと前から「信じる」ということにものすごく関心があって、だからプラセボ効果とかを卒論のテーマにしようかしらと考えているわけなのだけど、宗教なんてまさに「信じる」ことを扱うテーマとしては絶対にはずせないテーマなわけで、これからも僕の人生の中に宗教というフレーズはぐいぐい食い込んでくるに違いない。

 いつの間に自分が宗教に関心を持ってしまったのかは定かじゃない。高校時代は宗教を信じている人の神経がよくわからなかったし、あのころは明らかに嘲笑の対象だったと思う。だけど、この本で論じられているように、宗教というのはシステムとして非常によく出来ているのだ。そして宗教というものがなぜ人間とものすごく身近に接しているのかも、人間が信じる動物である以上必然的な運命なのである。これは宗教観がうすい日本ではちょっと意識しづらいことなのかもしれないけど(本著によるとそれは明治政府時代の画策によるものらしい)、だからこそ一歩引いた視線で宗教を考えるということは重要なのである。一歩引かなければ客観的に見ることは出来ないのだし、何かを対象化するのはそれが必要な行為なのだから。

 繰り返すけど、宗教というのはシステムとしては非常によく出来ている。僕が最近メンタルヘルスのことを団体として考えるときにコミュニティというのがよく話題にあがるけど、コミュニティとしても非常に宗教はよく出来ているわけで、日本の精神科のベッド数だけが増加傾向にあるのも日本に宗教というコミュニティに属することへの抵抗感が強いという側面があるからではないのかというくらいである。だけど、宗教はシステムとしてよく出来ている、人間をコントロールするための媒介としてだけ見ることもまた一面的である。宗教はそれだけじゃなく、人間の思考をあるときは縛り、あるときは拡張させる。科学的史観が出てきてしまったせいで、それに反するものは真実ではないとされる時代になってしまったけども、果たしてそうだろうか?科学的な観点から真実にそむいてしまっていたとしても、その人の世界観がそれで統一されていたとき、やはりその人にとっての真実はその宗教の中にあり、それはそれでひとつの真実なのだと僕は思う。もちろん科学から極端に外れてしまっているものはその頑健性が低いわけで、いつ崩壊してもおかしくないという恐怖を抱えざるを得ない、ということには全力で同意するわけなのだけど(そしてだからこそ宗教というものは勧誘をすることでその世界観を拡張させるのだとも思うけど)。

 僕には今のところ特定の宗教はない。イメスト中に理解を超えるようなものすごい映像が見えたとしても、寝る前に現実とほとんど区別のない映像が見えたとしても、圧倒的な情報量が頭の中をものすごい勢いで駆け巡るという経験をもってしても、僕はそれを神秘体験とみなさず脳の中の一活動だと思えてしまうからだ。自分の理屈を信じることは難しく、自分を超える経験をもってしてもそれが理屈づけられているとき僕はそこに神秘性を見出すことは出来ない。
 だけどふと考える。やはり僕は自分なりの宗教体系を必要としているのだと。宗教体系というよりも世界観といってしまってもよいかもしれない。宗教を信じるということは自分の世界観の頑健性を低くしてしまうことにつながることは百も承知で、しかし何か特定の(特に科学みたいな味気ないものではなく、神や神話などの”魔法”のレトリックがかかった心をわくわくさせるような)ものを信じるということは時としてものすごい力を生み出すことにつながるのだから。

 僕には僕の理解を超えた方法で、自分なりの信じるべき世界観を見出すことが必要なのだと思う。

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