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対話301河野哲也 『暴走する脳科学』

2010.03.16.19:48




個人的読みやすさ:B
読書時間:1時間


 したがって、環境のアフォーダンスを知覚することは、自分の意図を形成するに等しい。というのも、環境のアフォーダンスとは、前述のとおり、動物の振る舞いによって引き起こされ、再帰的に動物に影響を与えるような環境の特性のことを指しているからである。環境のアフォーダンスを知覚することは、自分の行為と環境との関係を知ることである。それによって、私たちは自分の意図を形成できるのである。(p.167)


暴走する脳科学への警鐘を扱った本かと思ったら特にそこまで特定のポジションの上に立ってという本ではなく、近年のこの分野がどのように発展してどのようなジャンルの学問が発生していっているのか、を概説的にまとめた本という印象が強い。その分、特に神経科学に最近関心を持っている僕にとってはありがたいところ。

 以前も書いたけど、神経科学の発展は間違いなく今後世のなかを少なからず変えてしまうと思う。その変わりゆく世のなかの中で、再び僕らは倫理とは、哲学とは、ということを再度考える必要が出てくる。たとえば麻薬を使ってはいけないというのは非常にわかりやすく、そのデメリットが大きいからなのだけど、では脳科学的技術を用いたエンハンスメントはどうか?医療目的ではない神経科学の人体への介入は本著のデータにも示されていた通りあまり好意的ではなかったが、しかし拡大解釈して考えるならばそれは試験前にコーヒーを飲んだりするとのあまり変わらないという見方もある。事実、というかむしろカフェインの摂取よりも人体に有害ではない方法だって今後編み出されるのは必死だし、人間が手軽なエンハンスメントを求めているのはアメリカの大学生が手軽な能力アップのためにスマートドラッグに手を出しているのが問題になっていることからなども見て取れるだろう。

 以前僕は自分の専攻を神経哲学にしようかな、ということを思っていた。少し時間がたつにつれ、うちの大学でこれをやるのはほぼ不可能ということ、ためしに読んでみた神経哲学の本が難しすぎて死んだなどの理由からこの考えは段々遠ざかっていったが、この本を読んでいると今再びそちらの方向へ歩むのも悪くないかなと思えてくる。なんにせよ、僕は認知科学のパラダイムに沿って今後勉強を続けていくことはほぼ間違いなく、その視点からしてこの本はその入門書にものすごく良いなということだけがいえるのである。

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