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対話344 佐藤 俊樹 『不平等社会日本―さよなら総中流』

2011.06.17.16:12




個人的読みやすさ:C
読書時間:1時間半

そのブルーカラーからの上昇ルートが、「昭和ヒトケタ」の終わりから「団塊の世代」にかけて次第に閉塞している。特にそれはB雇上に顕著にみられ、自営業という「一国一条の主」となるルートがほぼ完全に閉ざされた。また、図3.5でみたように、B雇下出身者においてもW雇上への移動が減り、40歳職ではW雇下、つまり事務職・販売職に滞留している。(pp.82)

要するに、非W雇上出身者がW雇上につく率は、「明治のしっぽ」と「大正世代」の間で大きくふえ、それ以降もゆるやかにふえている。(pp.90)

貴族というと「代々続いて……」というイメージがあるが、それは幻想にすぎない。イギリスだけでなく、大革命以前のフランスでも貴族階級にはかなり出入りがあった。(pp.94)

そういう意味で、現在の日本が経験している閉塞は、10年単位ではなく、50年単位で考える必要がある地殻変動なのである。企業や学校など、選抜システムの根幹をなしてきたさまざまな制度において、従来のやり方が根本的に通用しなくなっているのも不思議ではない。社会のなかで豊かさが持つ意味が、根本的にかわってしまったのだ。(pp.103)

W雇上の二世たちはそういう危険をはらんでいる。いうまでもなく、すべての二世たちがそうだというわけではない。親や周囲とぶつかりながら、自分の未知を選んできた人も少なくない。だが、全体としてみれば、そういう危険をはるかに多く抱え込んでいる。「団塊の世代」というのは、そのW雇上が主流派を占めるよになった、最初の世代なのである。(pp.110)

つまり、機会の平等が守られているかどうかは「後から」しかわからないのだ。(pp.168)


 社会学の本領発揮というか、膨大なデータをもとに展開される世代論だ。世代の傾向に対しての人間の心理というのは非常に面白いのでそれについてここでだらだらと書いてもいいのだけど、それはちょっとこういう本じゃなくてもっと気軽な世代論関係の本を読んでいるときにでもまわそう。

 代わりにこの本を読んで思ったことというのは、僕はなんだかんだ自分という存在をスタンダードのように考えてしまっている分、世の中でスタンダードと思っていることに自分をあてはめてしまいがちだなあということである。
む、これだとちょっとずれるというか、わかりにくいかもしれない。
僕が言いたいのは、時代によって当たり前のことながら文脈が違っていて、僕はその文脈の中でうんうんスタンダードがどうとかというものを日々認知しているわけなのだけども、そこの文脈を取り払って(あるいは比較して考えてみたら世界はよりカオスであるという当たり前すぎる発見なのだ。

 この当たり前すぎる発見だけども、結構日常では意識する機会が僕でなくてもあまりないと思う。
理由は簡単。
そちらのほうが気持ちいいというか、シンプルだからである。
シンプルは常に正義に近いポジションに立っているのである。

 つまり人間は本質的に自分の属している世界を文脈化して、そこからいかに差異化ないしは同異化するかを図っているわけであって、人間の創造性だとかそういうこねくり回した人生で大切そうな何かも文脈に依存した形でしか出現しないということだ。
つまり固定された環境というのが必要なのである。
固定された環境とはこの場合、年代だ。
自分たちの属しているところに関して、意識しない限り人はなかなかメタ認知をしない。
つまりその場所を固定化している。
その固定化されたキャンバスの上にどう絵を描くかということに神経を注いでいる。

 この本で書かれているような世代間の違いを見ることは、自分の属しているキャンバスがほかのキャンバスと比べてどのような違いがあるかを認識するのに絶好の役割を果たす。
別に日常24時間ずっとその違いを意識しておく必要はないけれども、自分の属されているコミュニティがどのような性質をマジョリティ的な意見として持っているのかを認識することはなかなか面白い知的体験だと思うし、同時にそのキャンバスで使える絵具の色がふえることにも最終的にはつながると思う。

うん?つながるのかな?

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