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対話345 池内 了 『疑似科学入門』

2011.06.18.16:48




個人的読みやすさ:A
読書時間:30分

 第一種疑似科学とは、人間の心のゆらぎにつけ込む「まやかしの術」である。「科学」と名付けるのはおこがましいのだが、心理学の大正と捉えれば疑似「科学」と呼んでも構わないだろう。これは、占い系、超能力・超科学系、「疑似」宗教系に三分類できる。(わざわざ「疑似」宗教としたのは、後に述べるように宗教の名を借りた詐術であるためだ。)いずれも、人間の精神領域に関わるだけに、いったん嵌ると抜け出すのが難しく、治療も困難という共通点がある。また、引き込もうとする側は人間心理の盲点をつく手法に長けており、被害者は意識しないまま(被害と思わず)深入りしてしまうことも共通している。(pp.3)


疑似科学は僕も関心の強い分野の一つである。
一つである、というか実際のところ表彰としての現れ方に差異あれど、その辺は大体自分内部ではつながっている。
すなわち、人間の信じる心が生み出す現象に僕は興味がある。
それは一時期嵌まっていた『うみねこ』の主題でもあるし、実際心理学や諸学問においても「プラシーボ効果」などといったラベリングでおなじみだと思う。

 だからこそ、僕はその点に対してはより深く考察を行いたいし、さまざまなデータを集めたいと常日頃から思っている。
特に信じる心というのは密接に文化にかかわっている。本書の引用部分の指摘にあるような占いだとか宗教だとかは、それらが人生レベルに影響を及ぼすと言われても案外すんなり理解できるものであろう。
そのようにして、人間の信じる心に関係するものが人生に及ぼす効果は――言うまでもなくー―絶大なのだ。
すなわちそれは人生の意味づけということであり、意味づけというのは物語を編むということになるのだから。

 プラシーボ効果のようなわかりやすく肉体に影響の出るものでなくても、そのような思想体系が人生に及ぼす影響を病のように捉えたり、完全に排除するものとして捉えるというのは僕個人は横暴だと思っている。もちろん、科学の信頼性は保証されるべきであり、それを危うくさせるような活動は攻撃されてしかるべしであろう。安易に科学という名前を語るような、本書で指摘されてるところの(引用はしていないが)第二種疑似科学がそれに当たる。
それは単純に科学に対してまわりまわって悪影響を与えるので、僕の立場としても悪といっても差し支えない。
もちろん、科学の信頼性を利用することでその信じる心が増幅され、その結果その当人の人生観に大きな影響を及ぼしていたとしても、科学という名前を使ってしまった時点で科学と対面せざるを得なくなり、それを批判する科学を肯定するにしろ否定するにしろ、結末はビタースイートなものになってしまうに決まっている。
ビタースイートというよりも、おそらくはもっと苦々しい何かだ。

 しかしながら筆者の言うところの第一種疑似科学は、それが科学という名前を名乗っていない限り明確に区別されるべきであると思う。
というのは、それは思想であり人生観なわけで、それが例えば金銭的に周囲に多大な迷惑をかけるなどの社会的悪影響が認められていない限り、科学で封鎖するべきものではないはずだからだ。
その一点を超えたとき、科学的態度が宗教性を帯びてしまうのだと思う。
別に僕は科学=宗教という論には与しないことは念のため断わっておくけども。

 この辺に、もっと科学と人文(アート)が健在意識下において明確に区別されるべき理由がある。
人文というのはすなわち、科学から解き放たれた価値観の世界であるべきなのだ。
そこでの基準は科学と違う。
どちらがどう魅力的なのか、というまさしくアートの世界なのである。
そこに科学的態度を持ち込むことは、なるほど確かに科学的態度それ自体が一つの魅力になるというのは十分に理解できることではあるが、しかしそれはそのほかの美的センス、価値観を淘汰するには至らないし、それを積極的に狙うことは科学の高潔さを下げることにもつながるだろう。

 科学哲学、特にファイヤアーベントらへんから始まるポストモダンの議論とかはこのあたりの思索を深めるのに最適である。
僕もよく考えたらファイヤアーベントちゃんと全部読んだことなかったし、すきを見て読んでいきたいなと思う。

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