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対話355 パウロ コエーリョ 『アルケミスト―夢を旅した少年』

2011.08.17.22:46



読書時間:1時間半
個人的読みやすさ:C

誰もみな、他人がどのような人生を送るべきか、明確な考えを持っているのに、自分の人生については、何も考えを持っていないようだった。(pp.21)

「世界最大のうそって何ですか?」と、すっかり驚いて、少年は聞いた。
「それはこうじゃ、人は人生のある時点で、自分に起こってくることをコントロールできなくなり、宿命によって人生を支配されてしまうということだ。それが世界最大のうそじゃよ」(pp.24)

「いつもそうなんだよ」と老人が言った。「それは幸運の原則と呼ばれているものだよ。誰でも初めてカードをする時は、ほとんど確実に勝つものだ。初心者のつきだ」(pp.36)

『では、たった一つだけ教えてあげよう』とその世界で一番賢い男は言った。『幸福の秘密とは、世界のすべてのすばらしさを味わい、しかもスプーンの油のことを忘れないことだよ』」(pp.40)

「前兆に答えなければならないからです」(pp.62)

「そんなことはない。世界中が認めようとしなかった王様を最初に認めたのは、羊飼いたちだったからね。だから、王様が羊飼いに話しかけても驚かないよ」(pp.82)

「人は誰でも、その人その人の学び方がある」と少年は独り言を言った。「彼のやり方は僕と同じではなく、僕のやり方は彼のやり方と同じではない。でも僕たちは二人とも、自分の運命の研究しているのだ。だからそのことで僕は彼を尊敬している」(pp.99-100)

「どうやって未来を推測するのかだって?それは現在現れている前兆をもとに見るのだ。秘密は現在に、ここにある。もしおまえが、現在にとく注意していれば、おまえは現在をもっと良くすることができる。そして、お前が現在を良くしさえすれば、将来起こってくることも良くなるのだ。未来のことなど忘れてしまいなさい。」(pp.122)

「勇気こそ、大いなる言葉を理解するために最も重要な資質なのだ」(pp.132)

「おまえが自分の内にすばらしい宝物を持っていて、そのことを他人に話したとしても、めったに信じてもらえないものなのだよ」(pp.158)

「恐怖に負けてはいけないよ」と錬金術師は不思議にやさしい声で言った。「恐怖に負けてしまうと、おまえは心に話しかけることができなくなってしまうからね」(pp.168)


 最近、運命について考えることが多い。

 昔は運命という言葉を毛嫌いしていた、というか意味のない言葉だなとずっと思っていた。
「運命によってすべてが決まっている」とか「運命は変えられる」とかそんなの運命をどう定義するかの問題なだけだし、なぜそんな言葉にことさら重要な意味を持たせる必要があるのだろう?というのが僕の疑問だった。

 そもそも運命という言葉を連呼する人は胡散臭いし嘘くさい。それは場末の占い師的なイメージでもあるし、テレビで華々しくご活躍されていらっしゃる方々の影響でもあるかもしれないし、人間の処理能力で運命とかいう広大なものを理解することは、ラプラスの魔でもあるまいし無理なのではないかという比較的現実的な批判精神でもあった。

 そんな僕がなぜまた運命という言葉に魅了されてきたのか?それはこの言葉を使うのが、存外「楽しいから」であるということに尽きる。

 運命という言葉は人生の彩りだ。言葉の綾であり彩だ。自分の人生におきたいくつかの出来事に意味を与え、それをベースにして人生に色を付ける。その色に合わない事象はどんどん認識されることが少なくなり、いつしか実際の出来事としても起きなくなってくる。自らの運命を自覚するということはいくつもある絵具のうち、メインの色を決めるということであって、決めて塗りたくった後にはそれに合う色しか選ばないようになる。

 運命というのはただ享受するべき受動的なものではなく、そのメインの配色をどうやって彩っていくか、どのような形のオブジェを描いていくかという能動的なものなのだと思う。それだからこそ、そこに楽しさを感じる余地があるのだろう。まったく何も描かれていないキャンバスを見たときにも感動するが、ある程度塗られた色から着想を得ようとすることはそれとは別の大きな快感なのであり、それこそが人間に「運命」という言葉を紡がせるエンジンになっているに違いない。


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