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対話380 岩田 健太郎 『「患者様」が医療を壊す』

2011.09.18.16:46



読書時間:1時間
個人的読みやすさ:A


 日本ではジェネラリストがある専門性を持ち、スペシャリストがジェネラリストに転じる、という交流が比較的多く、両者は相対的には分断されてはいません。日本はジェネラリストとスペシャリストが良い環境で共存するのに(欧米に比べて)実はとてもよい環境にあるのではと僕はひそかに思っているのですが、多くの方は賛成してくれないでしょうね。
(p.134)


 批判的精神がそうさせるのか、どうしても日本と海外を語る時は日本の駄目なところをつくことが多いし、僕を含め多くの読者もそれを望んでいるのだろうと思う。

 それはそれで健全なことだ。
第一自分の国のことを礼賛することばかりしているような人間はバランス感覚的にちょっとまずいし、「進歩人」の多い著者にそのような人を見つけ出すのは難しいだろう。
いい感じのバランス感覚なくして自分の国を褒めるということは時として難しい。そしてそれはおそらく、それなりに高度なことだ。

 しかしこの本はそれを可能にさせている。
つまり、いい感じのバランス感覚で自分の国を褒めている。
別に本書は日本賛美の本というわけではまったくないのだけど、完全無欠のようだと思わせたアメリカの医療などの問題点を経験にしたがって示し、現行の日本のシステムの良い点を挙げている。
 特に医療でも学問でも欧米一辺倒と認識してしまっている僕にとって、このようにうまいやり方で自国の良い点を見出されると納得するより他ない。

 その他、こういった医療関係の本を読めば読むほど、医療というのはもともと魔術に近い性質を帯びているのだなあという思いが確信に変わってくる。そしてそれはネガティブなニュアンスではなく、むしろポジティブな意味合いにおいて。

 態度は良いが誠実さも真摯さも(相対的に)今ひとつのアメリカの医者。確かに態度はもう一つだが、文字通り命がけで患者に尽くす日本の医者。どっちの医者像が理想なんだろう。
(p.12)

ある事象が「絶対に正しい」ということは「絶対に」ないのです。あるとすれば、「正しい場合」があるだけなのです。
(p.16)

でも、ぼくは基本的に言葉はコミュニケーションの道具に過ぎないと思っているので、そのときのコミュニケーションが円滑に進むようなやり方が一番だと思います。
(p.23)

昔は良かった、昔に還れという言説はたいてい間違っていますし、またやろうとしても、うまくいかないものです。
(p.47)

ああいやだ。本音ばかりの会話なんて、雰囲気悪くなるばかりです。
(p.58)

 この大人の態度は多くのアメリカ人(や典型的なアメリカの世界観にどっぷり浸かった日本人)にはやや苦手だと思います。あちらの世界を正当としつつ、別の世界もやはり正当、というのは苦手なのですね。
(p.65)

 これは、日本がドイツから医療を輸入したためドイツ観念論みたいなものが基盤にあり、考え方としては演繹法的なアプローチが好まれたからだ、という説があります。イギリスとかアメリカの「理屈はいいから治ればいいじゃん」みたいな気楽な(というと言い過ぎか)帰納法は低く見られたのかもしれません。
(p.93)

 しかし、科学の場合は反論できなくてはいけないというわけです。
(p.109)

6. EBMはインターネットのもたらす大量の情報に依存する。
(p.112)

 このようにジェネラリストとスペシャリストの関係はゆがんだ形の片思いの構造になりがちです。要するに、ジェネラリストはスペシャリストの言動に常に目を光らせており、スペシャリストはそのようなジェネラリストの存在に気がつきもしないのです。
(p.129)

 気落ちさせてはパフォーマンスが落ちる、という一方で、パフォーマンスが悪ければ気落ちしようがなんだろうがドロップアウトさせればいいのだ、という二枚舌。僕はこの瞬間から「欧米の」医学教育専門家を信用しなくなりました。
(p.143)

 対立構造は不可避であり、普遍であり、未来永劫そのまんまであると「決めつけなければ」意外なソリューションが見つかることも多いのです。
(p.172)

 僕は、
「たばこを吸うような奴は他人の健康に悪影響を与えているひどい奴だ」
 と言っている医者が、
「今週は当直2回やったからもう入りたくない?ふざけるな、俺たちの若い頃は……」
 と若手医師に不健康な業務を強いているのを見ると、なんだかなあ、という気分になります。その若手医師の家族の精神的苦痛とかを考えれば、この医者はかなり他人に迷惑をかけているのです。
(p.186)

 今は「渋滞学」という学問があるそうですが、あれも車間距離をある程度開けつづければ渋滞は起きないんだそうですね。
(p.199)

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